幻の酒を求めて

東京で働いていたとき、気に入って飲んでいた日本酒がある。
銘柄を覚え実家に戻ったら、直接買いに行こうと考えていた。その酒造は、三重県の奥深い場所にあり、移動には車が必要だ。
そこで奈良までは電車で向かい、tagaに連絡し車を転がしてもらうことにした。


奈良で13時前に合流し出発する。その前にガソリンスタンドで給油。そのスタンドはセルフという割りに、きっちり店員がいるので疑問だった。
しかし、その謎は数秒後に解決。セルフに慣れない客のためにオペレーターとして必要だったのだ。じゃあ、セルフの意味って何。
taga車にはカーナビがあるので、指示に従い道を行く。阪名国道は昔は高速道路なので、制限時速80kmの道路だっだが今は60km制限の道。高速はタダになると国道になって制限速度が60kmになるんかい。途中の山道では、急カーブが連続しハンドルを右へ左へときる最中にカーナビは「1km、右折です。」とか、「こんな山中やったら、そりゃ美味いやろうな!」と言っていたら、急に開けて普通の街に出た。


1時間半ほどで目的地近辺に到着。町では夜から祭りが始まるようで、屋台が準備していた。屋台の子犬がキャンキャン吼えていたので、「あれは今日、屋台で焼かれるんやな。」とか言う。
目的地の酒造についた。ここまできたって感じで。
しかし、店に入ったときに違和感を感じる。店の親父を呼ぶ。欲しい銘柄が無いというと、親父は以下のように説明。
・若い人は日本酒を飲まない。
・その銘柄は息子が作っている。
・機械を使わず手作りでやっている。
・数が無いため店頭に並べず、できた分を酒店に卸している。
・飛行機で店までやってきた人もいる。
・しかし、店頭では販売していない。


手ぶらで帰るのも何なので、親父が作っているその日本酒を買って帰ると言ったら、「売りたくない。売るけど、あれと比べないで。」としぶしぶ売る始末。
半べそかいて、奈良に帰りfuchino、kogaに連絡。奈良で串かつを食べる。
「日本酒を買いに三重に行ってた。」という話をしたので、袋を見て「それのことだね。」というが、違うのだ。さらに酒造から教えてもらった酒店の住所を聞くと、東大阪だったのだ。